医薬品を販売するお店を開くには、医薬品医療機器等法(薬機法)にもとづく許可が必要です。代表的なのが「薬局開設許可」と「店舗販売業許可」の2つで、一般に「薬局」と「薬店・ドラッグストア」と呼ばれるものにあたります。どちらを取るかで、扱える医薬品、必要な人員、店舗の基準が変わります。この記事では、2つの許可の違いを整理します。

2つの許可の比較

項目 薬局開設許可 店舗販売業許可
処方箋による調剤 できる できない
販売できる医薬品 医療用医薬品を含むすべて 要指導医薬品・一般用医薬品
店舗の管理者 薬剤師 薬剤師、または要件を満たす登録販売者
店舗面積の基準 19.8㎡以上(調剤室は別に6.6㎡以上) 13.2㎡以上
名称 「薬局」と名乗れる 「薬局」とは名乗れない
許可の有効期間 6年 6年

許可の申請先は、店舗の所在地を管轄する都道府県(保健所)です。大阪市・堺市など保健所を設置している市では、市が窓口になります。

薬局開設許可が向いているケース

処方箋を受け付けて調剤を行うなら、薬局開設許可が必須です。調剤を行う場合は、あわせて地方厚生局から保険薬局の指定を受けることで、保険調剤ができるようになります。開設許可と保険薬局の指定は別の手続きで、指定には申請の締切日が月ごとに決まっているため、開局日から逆算したスケジュール管理が欠かせません。

店舗販売業許可が向いているケース

調剤は行わず、風邪薬や胃腸薬などの一般用医薬品を販売するなら、店舗販売業許可で足ります。ドラッグストアのほか、異業種の店舗に医薬品売り場を設けるケースもこの許可にあたります。登録販売者を管理者にできるため、薬剤師を確保しにくい場合でも開設しやすいのが特徴です。ただし、第1類医薬品は薬剤師でなければ販売できないため、取り扱う医薬品の範囲は人員体制によって決まります。

人員体制の考え方

どちらの許可でも、店舗の営業時間中に、医薬品を販売するための専門家(薬剤師・登録販売者)が勤務している体制が必要です。管理者になれる登録販売者には、一定期間の実務経験などの要件があります。開設前に、誰を管理者にするのか、営業時間をどう人員でまかなうのかを決めておくことが、申請準備の第一歩です。

内装工事の前に相談を

店舗の面積や区画、照明、医薬品の陳列方法などには、構造設備の基準があります。工事が終わった後に基準を満たしていないと分かると、やり直しの費用がかかります。図面の段階で保健所に事前相談するのが確実な進め方です(詳しくはシリーズ第2回)。

まとめ

調剤をするなら薬局開設許可、一般用医薬品の販売だけなら店舗販売業許可が基本です。どちらを選ぶかは、扱いたい医薬品と、確保できる薬剤師・登録販売者の体制で決まります。行政書士法人SUNでは、許可の選択から図面段階の事前相談、保険薬局の指定申請までお手伝いしています。

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